
スイス、チューリッヒ動物園の象舎、直径80m、最大天井高18mの木造シェル屋根です。屋根の縁に2m幅×45cm厚のコンクリートリングがありその上に木造シェル屋根を架けています。コンクリートリングにはケーブルが仕込まれてプレストレスが導入され、RC造の管理エリア等や4ヶ所の屋根基礎で支持されています。屋根基礎には、通常の杭の他、水平方向に押出される力に対抗するためロックアンカーが地中斜めに打込まれています。木造シェルは、まず80mm厚CLT(直交集成板)を現場で湾曲させて3層重ねた240mm厚の構造の上に、製材を3層重ねた木材ウェブ、さらに40mm厚LVL(平行合板)を重ねて、総厚540mmの木質複合梁を形成し、それを網の目状に配置しています。さらにその上に配管スペースや断熱層、雨仕舞屋根や色々な形の271の天窓(総面積2,100㎡)、最外装のメンテナンス用歩路等が重ねられています。各層の留付けは、最長850mmの釘やビスが使われています。
この象舎は、象が屋外に出られる広いエリアと共に、2014年にオープンし、既に独特の飼育と展示方法を紹介した日本のTV番組もありました。(写真撮影日:2013.10.11)
<google地図参照> https://www.google.co.jp/maps/@47.3880241,8.5753978,307m/data=!3m1!1e3
チューリッヒ湖からリマト川が流れ出すところから1.2km程の湖畔にル・コルビュジェ展示館もあります。






1974年卒 飯山道久