東京理科大学工学部建築学科校友会

おもしろ建築物紹介 その8「ふれあいキューブ (S造+木造耐火)」

1974年卒 飯山道久

春日部市に建つ埼玉県と春日部市の庁舎、東部地域振興ふれあい拠点施設(ふれあいキューブ)です。木材利用、地下水や地熱を冷暖房に活用、太陽光発電・太陽熱温水器など省CO2の最先端モデルとして建設されました。4階までが鉄骨造、5・6階が木造軸組の耐火構造で、延べ面積10,529㎡、2011年10月竣工で、2013年にグッドデザイン賞を受賞、1階に約1,000㎡の多目的ホールがあります。

5・6階は(一社)日本木造住宅産業協会取得のメンブレン型木造耐火構造大臣認定を用いて設計されています。当時の大臣認定では独立柱の木部断面寸法は210㎜角以下(外壁や間仕切壁内の柱寸法には上限なし)でした。それでこの建物の構造モデュール3.5×7mが決定されたとのことです。その後大臣認定が取り直され600㎜角の独立柱まで使えるようになり、今では構造計画の自由度がさらに向上しています。また平成30年3月22日に全ての主要構造部について木造1時間耐火構造(屋根・階段は30分)の告示の例示仕様が出揃いましたので、大臣認定より耐火被覆は厚くなりますが、もっと大きな断面の独立柱を用いることも可能になりました。

5・6階の木造部分は、中庭があるロの字型プランで、ここだけでも床面積が4,000㎡を超えています。

外周面・中庭面ともにガラスとLVL(平行合板)の市松状のデザインで、このLVL(厚さ80㎜)が水平力を負担する筋違代わりの面材耐力壁になっています。このカーテンウォールのような壁は、鉄骨の枠で形成されていて、耐火被覆を貫通している鉄骨のブラケットで構造材と緊結されています。木造とすることで建設時・解体時のCO2発生減少と炭素固定を実現しています。

東武伊勢崎線(スカイツリーライン)・野田線(アーバンパークライン)の春日部駅西口から左方向、駅東南東300m程のところに建っています。5階のパスポートセンター他、普段開放されているところもあります。

工事中写真

5・6階の市松状の壁が特徴的。
設計は(株)山下設計、施工は(株)銭高組でした。

(写真撮影日:2011.08.04、及び2012.02.13)

以下は、工事現場に掲示されていた設計コンセプト説明パネルを撮影したものです。

(2018.06.01)